東大新入生にスペイン語が最も人気なのはなぜか?2

2020年の東京大学新入生の「第2外国語」として何語を選んだかというアンケート調査(東京大学消費生活協同組合)によれば、7つある言語で一番の人気のある言葉は何語であったかというと外な結果でした。スペイン語が中国語を抜いてトップに躍り出ました。私が50年近く前に大学の外国語学部を専攻しようとして、スペイン語を選んだ決断は正しかったわけです。以下のグラフと表はは20年と21年を対比した人気度の順位です。


順位 言語名   2021年(括弧は20年

No.1 スペイン語 28 % (26,6%)       ,

No.2 中国語   26% (25,6%)

No.3フランス語 21% (20,8%)

No.4ドイツ語 13% (14,5%)         

No.5イタリア語 5% (5,6%)        ,

No.6ロシア語 4% (4,1%)

No.7韓国朝鮮語 3% (2,8%)   (出所:東大生協web)


スペイン語が最も人気のある第二外国語として選ばれたのは、画期的なことです。20年から21年にかけて中国語との人気度の差は、2%に広がっています。東大入学を目指す学生は社会の変化をすぐ感じ取る風見鶏でしょうから、スペイン語の単位がとりやすいと現実的な判断をしたのではないかと思われます。発音が簡単、母語人口と話されている国数の多さ、周りの友人がとっているから、今後の話者の増加、日本人に親しみやすい言語だからと現役の東大生は回答しています。


私が以前から主張しているスペイン語の特徴を代弁しています。欧州の「関西弁」とも言えるスペイン語の人気は、年寄りだけではなく若者の間でもどうやら本物のようです。


若者や還暦からのスペイン語留学先をどこにするか


『60歳からの外国語修行 メキシコに学ぶ』(岩波新書 2017/09 青山南著) この新書には私が考えていることを著者が代弁してくれている箇所がいくつもあります。著者が還暦を過ぎてからスペイン語を学ぶため、メキシコのグアダラハラに10ヵ月間ほど滞在した体験を書き下ろしたエッセイです。


これは私の個人的な意見です。本の題名を「還暦からのスペイン語留学 メヒコから学んだこと』に変えるのが可能であれば、もっと売れるはずです。シニア層以外の大学でスペイン語を学んでみたい学生などがキャンパス内の生協で立ち読みし、読者層の幅が広がると思います。若者も団塊世代の人間がメヒコでの生活やスペイン語学習で苦労しているところに共感を覚えるはずです。


実は、4年前に私がこの本の著者である青山南氏を岩波新書の編集担当者を通じて温めていたある企画を提案しました。その依頼内容は、青山氏の著書であるスペイン語とメキシコに関する話題の新書について、「日本・メキシコ外交関係130周年」のイベントの一環として、駐日メキシコ大使館内のホールでトークショーを開催したいので、メインスピーカーとして話をしてほしいというものでした。


幸運にも、著者と出版社の快諾を得たうえ、メキシコ大使館文化部の全面的な支援を得て、以下の案内状を関係者に発送したところ、参加者は100名近く集まりました。著者のサイン会を兼ねた懇親会と書籍の販売も行いました。うれしいことに、前駐日メキシコ大使カルロスアルマダ氏からのオープニングメッセージまでいただき、イベントは盛況裡に終えることができました。


日時: 2018年2月28日(水) 受付: 18:00

トークショー:18:30~20:00 懇親会:20:00~20:30

スピーカー: 翻訳家・作家・エッセイスト 青山 南

明治大学准教授・日墨交流会 所 康弘

()メヒココンサルティング瀧澤寿美雄

会費:無料

主催:在日メキシコ大使館 ()メヒココンサルティング

後援:岩波書店

場所:在日メキシコ大使館 別館5

千代田区永田町2-15-1


スペイン語を学ぶ留学先としてどこがいいかは本人が決めることですが、三つの選択肢が考えられます。欧州のスペイン、中南米の国々、米国のヒスパニックが多く住む西部や南西部の州にある地域です。日本との関係も需要な判断材料です。直行便があるか、日本と政治・経済面で良好な関係にあるか、親日国かなどを考えると、答えはでています。都立日比谷高校のはす向かいにあり、千代田区永田町に大使館を構えるメキシコです。

スペイン語の持つ魅力と特徴


・「神と話すことば」と言われ、歯切れが良く、明瞭で美しい響き

・スペイン語圏の人々の持つ個性豊かな文化や屈託のないラテン的価値観

・母音と子音を綴りの通り発音すれば良く、音声学上は完璧で、発音記号は必要ない

・単語は英語と類似したものや綴りが同じものがあるが、発音が違うので注意する

・語順や文型など英語との共通点は把握しやすいので、初級レベルまでの上達は早い

・中級以上は、時制や人称に応じた動詞の活用、英語にはない接続法の使い方、再帰動詞、直接・間接目的などは難度が高くなる

有力な国際言語に成長したスペイン語の将来性


スペイン語はスペインの他に、中南米のほとんどの国々、地域で公用語として用いられているのはご承知の通りです。特に、米国に移り住んだラテンアメリカからの移民の人たちヒスパニックの人口増加が著しく、直近の統計では9年間で1,000万人増え、現在6,000万人に達しているようです。彼らがスペイン語圏の総人口5億人の底上げをしているという事実は見逃せません。


母語人口と話者人口の多いスペイン語は、中国語(中国でのみ)や英語(母語人口の伸びが期待できない)とは異なった観点から考えると、国際言語としての影響力がさらに高まると期待できます。文の構造、言葉の仕組みである文法が明解なため、文字通り発音すれば通じます。


学術的な表現をすれば、スペイン語の持つ優位特性としてあげられる「広域性」と「拡散力」に加えて、「庶民的」な印象があるスペイン語は誰にでも学びやすい、親しみやすい、楽しさが広がる、敷居が高くないという条件を備えた最も馴染みやすい外国語の一つであると言えます。


スペイン語は日本人には有利で最も向いている外国語